世界をあげる
「どうしてここに来たんだ?」
「ここ…私の家だよ。用がなくちゃ来たらいけないの?」
俯く瑠璃にお父さんは困った表情を浮かべる。
「え、瑠璃ちゃんはあの人が引き取ったんでしょ?だったら瑠璃ちゃんの家はここじゃなくてママのとこでしょ。」
「おい!」
女の人の無神経な言葉は瑠璃の心を突き刺した。
「…もう来ない。」
「え、」
「瑠璃!」
「るりちゃん!」
瑠璃は走る。花はそれを追いかけた。