世界をあげる
「ただいま…。」
恐る恐るドアを開ける花。
「おー花、おかえり。」
いつもと変わらず利一は迎えてくれた。
「花ちゃん、楽しかった?」
泉もいつもと同じ。
「…怒らないの?」
「怒らんよ。ちゃんと連絡してくれたし、花が行かんかったら瑠璃ちゃんは一人になっとったんやろ?瑠璃ちゃんを一人にせんかった花は偉い。ただな、心配はした。ほんとは叱りたいけど、無事帰ってきて良かったとホッとしとる気持ちの方が大きいわ。」
「…ごめんなさい。」
利一は花の頭を撫でた。