世界をあげる
「久しぶりだな、吉村。」
「…何しに来たの。」
「お前と話がしたくて…」
「俺は話したいことなんてないし、顔も見たくない。」
それだけ言うと、俺は部屋に駆け上がった。
その様子を見ていた利一は唖然とし、花と優奈はキョトンとしている。
「えっと、杉野くんやったっけ?」
「…はい。」
「泉と何があったか知らんけど、今日は帰ってもらえる?」
利一は困ったように言った。
「…急に来て申し訳ありませんでした。また…明日来てもいいですか?」
「ええけど…泉はあの様子やし、明日来ても話せんと思うよ。」
「…はい。でも明日来ます。」
杉野は帰って行った。