世界をあげる


中学を卒業し、春休みに入ると、俺は両親にゲイであることをカミングアウトした。

一人で悩むのが疲れてきたのが一番の理由だが、義務教育を終えたし、これから自立していくわけで、早めに親に認めてもらった方がいいと思ったから。

でも現実はそんなに甘くなかった。

両親は俺を軽蔑した。同性愛者の俺を信じられないという目で見てきた。認めてもらうなんて夢のまた夢だった。

そしていくら義務教育を終えたとはいえ、学生である自分は、自分の力だけで生きていくなんてできないことを思い知った。

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