世界をあげる
「…え、ガチで?」
周りがざわついた。
「ちょ、おい、吉村!」
俺は何も考えられなくなり、教室を飛び出した。
俺は両親と杉野にしか話していない。つまり、みんなにバラしたのは杉野。親友に裏切られたのだ。
俺がゲイだという噂は学校中に広がり、杉野は俺を見ると気まずそうに目を逸らすようになった。
俺をからかったり、聞こえるように悪口を言うやつもいた。
だけど、以前と変わらない態度で接してくれた人も何人かいて、なんとかやっていけた。