世界をあげる
利一は階段を覗き込む。
「ごめん杉野くん。泉出てこんけん、帰ってくれる?多分もう、君と話すつもりないんやと思う。」
淡々と杉野に伝えた。
「…わかりました。あの、これだけ渡してもらえませんか?」
杉野の手には封筒。
「吉村に伝えたいことをここに書いてきました。読んでくれないならそれでいいんですけど、渡すだけ渡してもらえませんか。」
どうやら杉野は会ってもらえないことがわかっていたようだ。