世界をあげる
手紙を利一に押し付けるように渡すと、杉野はすぐに本屋を出て行った。
利一は受け取った封筒をまじまじと見て立ち上がる。
「りーちゃん、店番は私がするね!」
「ありがとう。」
利一は花の頭を撫でて泉の部屋に向かった。
「泉。」
ベッドの中で丸くなっていると、利一さんがやってきた。
「杉野くん帰ったよ。」
「…ありがとうございました。」
「これだけ渡してほしいって。」
利一さんに手紙を差し出された。