世界をあげる
「おばあちゃん!りーちゃん!いっぱいお菓子買ってきたよ!…あれ、どうしたの?」
花ちゃんと病室に戻ると、なにか張り詰めた空気が漂っていた。
だがそんな空気は一瞬で緩んだ。
「おかえり。何買ったの?」
「えっとねー、」
花ちゃんが梅さんに買ってきたお菓子を見せている間、利一さんは難しい顔をしてその光景を見ていた。
「利一さん?どうしました?」
「ああ、いや、」
慌てて笑顔を取り繕う利一さん。