世界をあげる
「…ママはいないの?りーちゃんが花のパパになるの?」
「花、なんでもないよ。今のは忘れて。」
「おばあちゃん、どういうことなの?」
「花、」
「むずかしいよ。わかんない。」
利一さんはしゃがんで花ちゃんと視線を合わせた。
「花、花は今まで通り、元気に学校行って、みんなと楽しく過ごせばいいんよ。おばあちゃんが心配しないでいいように。」
花ちゃんは梅さんの方を見る。
「…そうね。利一さんの言うことを聞いて、いい子にしてるのよ。おばあちゃんを安心させてね。」
「…うん、わかった。」