世界をあげる

「なんでそんなことが言えるんですか!あなたの子どもでしょう!いらなくなったから捨てるんですか!子どもは物じゃないんです!花ちゃんだって感情があるんです!傷つくんです!今まであなたは散々花ちゃんを傷つけてきたくせにまだ傷つけるんですか!」

大声で叫んでしまった。

「…何よ。誰なのよあなた。私の気持ちもわからないくせに!子育ては大変なの!ひとりでなんてできない!それなのにお腹に花ができた途端、男に捨てられて、何もわからなくて不安で押しつぶされそうになって苦しくてどうしようもなくなった私の気持ちなんてあなたにわかる?親の反対押し切って花を産んだから親の力も借りれないし、経済的にも辛くて。何度花と心中しようと思ったか!…花を見てたらあの男を思い出すのよ!あの頃のつらい思いも全部蘇ってくる。だからもう花とは一緒にいたくないの!私も幸せになりたいの!」

碧さんはそう言いきると疲れたのか肩で息をしていた。

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