世界をあげる

「なんで?」

「花ちゃん、利一さん大事な話してるから部屋に居よう。」

「やだ!花もママと話したい!」

「花!はよ部屋行き!」

今までに聞いたことない利一さんの怒鳴り声に俺たちは驚いてしまい、空気が止まった。

そんな空気を打ち砕いたのは碧さんだった。

「花、花はこれから利一さんの子どもになるのよ。私とは一緒に暮らせないの。」

「え、どうして?」

「私、お腹に赤ちゃんができたの。」

「そうなの?花の弟か妹が生まれるんだね!」

「違うわ。」

「え?」

「花はもう、うちの子じゃないわよ。だから今度生まれてくることは関係ないの。もうすぐ私とも関係なくなる。」

「…どういうこと?」

「碧さん!」

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