世界をあげる
泣き疲れた花ちゃんはそのまま寝てしまい、利一さんが部屋まで運んだ。
「あれ、これ…」
おばあちゃんのために折っていたはずの鶴が、花ちゃんの部屋に二羽残っていた。
緑色とピンクの鶴。
よく見ると羽の部分がテープでくっつけられ、二羽の鶴が手をつないでいるようだった。
「もしかしてこれ、」
花ちゃんはお母さんを思って作ったのではないだろうか。
利一さんはそれを見て苦しそうに笑った。
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