世界をあげる
13、生きて


花ちゃんはあれから一度も泣かなかった。

ただ、笑うこともなくなった。

花ちゃんの顔から表情が消えた。

部屋にこもり、学校にも行かなくなった。

「…花ちゃん、ご飯だよ。」

「…いらない。」

ご飯も食べなくなった。

細くて小さい体がさらにやせ細り、このまま死んでしまうんじゃないかと怖くなった。

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