世界をあげる
小さな飴とはいえ、花ちゃんが何かを食べるのは久しぶりだったのでホッとした。
「花。お粥さんは食べれんかな。」
「…いらない。」
「そうか。なあ花、泉、明日水族館行こう。」
「え、」
利一さんの突拍子もない提案に俺も花ちゃんもキョトンとした。
「俺、魚見たいんよ。行かん?」
「いや、いいですけど…」
「花は?俺のわがままに付き合ってくれる?」
「…うん。いいよ。」
「よし、決まりな!明日は店休んで水族館!」
利一さんは張り切っていた。