世界をあげる


翌日。

朝早く車に乗り込み出かける。

途中のコンビニで朝ご飯を買ったが、花ちゃんはジュースしか飲まなかった。

何時間か車に揺られ、たどり着いた水族館。

「わあ。水族館だ。」

元気のなかった花ちゃんの目に少しだけ光が灯った。

「花は水族館来たことあるか?」

「ないよ。」

「初めてか。イルカショーもあるみたいやぞ。」

「ほんと!早く行こう!」

「そんな急がなくても時間はたっぷりあるよ。」

花ちゃんは利一さんと俺の手をぐいぐい引っ張った。

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