世界をあげる
花ちゃんは首を傾げた。
でもすぐに頷いた。
「うん、わかった。」
「ははっ!わかってないやろ。」
利一さんは花ちゃんを小突いた。
「だって、私、りーちゃんやいっくんと一緒にいたら楽しいんだもん。みんなと一緒にいれるのが嬉しいの。だから笑ってるの。誰かのためとか考えたことないよ。」
利一さんは手を目に持って行った。
「花は嬉しいこと言ってくれるなあ。」
「りーちゃん、どうして泣いてるの?」
「嬉しくても涙は出るんよ。覚えとき。」
「そうなんだ。知らなかった。」
花ちゃんは利一さんの頭をよしよしと撫でた。