世界をあげる
利一さんが店に下りてきた。
「吉村さん、何しに来たん?」
目が笑っていない。
「お久しぶりです利一さん。泉のことで来たに決まってるじゃないですか。」
「今更なんよ。」
「泉の将来について話しに来ました。」
俺の将来?
「お前は学校も行ってないし、働いてもないんだろ?泉も成人を迎えたんだ。これからどうやって生きていくか考えないとまずいでしょう?」
俺もわかっている。このままではいけないということ。
「…利一さん、父さんと話します。」
「…わかった。」
父さんを部屋にあげた。