世界をあげる

「店を経営するのは簡単なことじゃないんだぞ。」

「わかってる。だから学校でちゃんと勉強したいんだ。父さん、ごめん。将来ちゃんと返すから、今は学費の援助をしてほしい。」

頭を下げた。父さんの顔を見るのが怖くて、顔を上げるタイミングがつかめない。

「…それはいい。親として子どもの学費を出すのは当たり前だ。」

「え、」

「その代わり、しっかり勉強しろ。浪人したらもう面倒は見ないからな。」

「…ありがとう。」

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