世界をあげる


2人は澪を大切に育て、澪はたくさんの愛情を受けながらすくすく育った。

澪の幼稚園の行事や小学校の行事には必ず2人揃って参加した。

澪の成長を見られることが2人にとっては幸せだったし、澪もまた、2人の笑顔が嬉しかった。


しかし、そんな幸せは続かなかった。


澪が小学4年生のとき、国語の授業を受けていると、教頭先生が血相変えて教室に入ってきた。

「木藤澪さん!ちょっと来てください!」

「え?」

担任の先生も何事かと廊下に出る。

「落ち着いて聞いてくださいね。今、お父さんとお母さんが…」

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