世界をあげる

「澪ちゃん、よく頑張ったわね。結衣はもう少し頑張らなきゃね。」

「…うん。」

出来のいい澪と比べられるのが、結衣にとっては苦痛だった。

仁美は結衣と澪、2人とも同じように愛情を注いでいる。

そのことも結衣にとっては面白くなかった。

ある日とうとう結衣は、不満が爆発してしまった。

「なんでいっつも澪ちゃんばっかり!お母さんは結衣のお母さんなのに!澪ちゃんがお母さんの子どもだったら良かったのにね!」

「結衣!」

「澪ちゃんなんてうちに来なければ良かったのに!」

結衣はそう言うと、部屋にこもってしまった。

< 390 / 403 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop