世界をあげる
「澪ちゃん、よく頑張ったわね。結衣はもう少し頑張らなきゃね。」
「…うん。」
出来のいい澪と比べられるのが、結衣にとっては苦痛だった。
仁美は結衣と澪、2人とも同じように愛情を注いでいる。
そのことも結衣にとっては面白くなかった。
ある日とうとう結衣は、不満が爆発してしまった。
「なんでいっつも澪ちゃんばっかり!お母さんは結衣のお母さんなのに!澪ちゃんがお母さんの子どもだったら良かったのにね!」
「結衣!」
「澪ちゃんなんてうちに来なければ良かったのに!」
結衣はそう言うと、部屋にこもってしまった。