世界をあげる
澪はこの家を出ようと決めた。
結衣を傷つけたくない。結衣はこの家の本当の子なのだから、肩身の狭い思いをする必要はない。そう思った。
様々な理由を付けて、澪は他の親戚のところく行くことになった。
今度の家には男の子2人と女の子が1人いた。
澪は、結衣のようにみんなを傷つけないよう、バカな子を演じた。
勉強も運動もできない、何もできない子。
そんな澪を大人たちは罵る。
子どもたちは仲良くしてくれたが、おじさんとおばさんは澪のことを「居候」と煙たがっていた。