世界をあげる


翌朝。

「泉ー。花と小学校に挨拶行ってくるけん、店番頼むよー。」

「はーい。」

相変わらず楽しそうな花ちゃんの手を引いて利一さんは家を出た。

客も来ず、暇な時間が過ぎていく。

澪さんの本を手に取って読んだ。

やっぱりどこか懐かしくてあたたかくて心地いい。

尖った心をまあるくしてくれる、そんな物語。

大切な時間、大事な空間。




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