世界をあげる

「でも次は負けんよー!」

やっぱり少し悔しかったようだ。

それでも小春は嘆いたりはしなかった。前しか見ていなかった。

小春の夢は医者になることだ。

「うちな、お母さんが病気なんよ。お父さんはずっと仕事してお母さんの医療費稼いどる。やから私はここに預けられたんよ。将来お医者さんになって、私がお母さんの病気治す。また一緒に暮らしたいもん。」

「…そうなんだ。」

「だからいっぱい勉強せんといけんの。澪ちゃん頭いいからこれからも勉強教えてね!」

「うん。」

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