世界をあげる
「あれ、今日は利一さんは?」
宮田のおばあちゃんがやってきた。
「花ちゃん連れて小学校行ってます。」
「花ちゃん?ああ、新しく来た子ね。可愛い子ねえ。」
押し車に腰をかけるおばあちゃん。
「飴持ってんのよ。あげる。」
「ありがとう。」
「泉くん聞いてよ、うちのおじいさんがね、」
おじいちゃんに対しての愚痴が始まった。
こうなったらなかなか止まらない。
俺は相槌を打つものの、ほとんど聞いてなかった。