世界をあげる

「何笑ってんの?」

「え?」

「なんで俺がこんなに怒ってんのにへらへらしてんだよ!ムカつくんだよ!」

花ちゃんは一瞬顔を歪めたが、また笑って

「ごめんなさい」と言って下におりた。

小さいからと言って許せない。

澪さんの場所を奪っておいて、澪さんの思い出まで汚されたみたいで悔しかった。

その日、俺は何もかも全部ほっぽりだして自分の部屋に引きこもった。

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