世界をあげる

「いつまでも澪さんのこと引きずっててもいけないと思って、花ちゃんを受け入れようと思いました。でも花ちゃん、俺が怒っててもへらへら笑ってるんですよ!悪びれもせず笑ってるんです!」

利一さんの顔が悲しそうに歪んだ。

「花はなあ、笑うことしかできんのよ。」

「…は?」

「泉にはちゃんと話しとくべきやったなあ。ごめん。」

利一さんは腰を下ろした。

「…どういうことですか。」

「花は…母親から虐待受けてきたんよ。」

俺は言葉を失った。

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