世界をあげる
「…花ちゃん、ごめんね。」
「なにが?」
「さっき。」
「さっき?」
花ちゃんは首を傾げる。
利一さんは花ちゃんと俺を見て笑った。
「花あ、明日から学校やろ。はよ風呂入って寝んと。」
「ああ!そうだ!」
バタバタと足音を立てて2人は階段を下りていった。
利一さんや澪さんが俺を受け入れてくれたように、俺も花ちゃんを受け入れよう。
小さなあの子の傷を一緒に背負っていけるように。
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