世界をあげる

「泉くん、子ども好きでしょ?」

「え、」

今まで子どもは苦手だと思っていた。

素直で純粋で、悪気もなく人を傷つける。

だけど花ちゃんと出会って、近所の子どもと接していると彼らも真剣に考えて必死に生きていることがわかった。

「そう…ですね。」

「すごく楽しそうだった。」

「太郎さんも楽しそうでしたよ。」

「俺が?」

「はい。すごく楽しそうでした。」

太郎さんは一瞬驚いたあと笑った。

この笑顔が俺は好きだ。

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