世界をあげる


その夜。

「いっくん、おふとんしこうか!」

「うん、そうだね。」

太郎さんがいる間は、花ちゃんは俺の部屋で過ごすことになった。

花ちゃんの部屋は今は太郎さんの部屋となっている。

一人で落ち着く時間があった方が何か思い出せるだろうという利一さんの考えに従った。

花ちゃんは9時に寝るため、俺も9時に布団に入る。

まあ起きていてもやることないし。

「電気消すよ。」

「うん!」

きっちり合わせた布団に寝転がった。

「いっくんいっくん。寝た?」

布団に入って早々に花ちゃんが聞いてきたから思わず笑ってしまった。

「ははっ。まだ起きてるよ。」

「んふふ。ねえ、いっくん。」

「何?」

「いっくんって、たろーちゃんのこと好きでしょっ。」


…え、

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