100%の愛で〔SS〕
明日は土曜日、病院の日。
最近、調子が思わしくないかも。
「貴女が八重樫圭さんですよね?」
漆黒塗の車から黒ずくめの男に名前を聞かれた。
「はい…」
「旦那様がお呼びですので乗っていただけないですか?」
「旦那様って…」
「円城寺常一浪様です」
常葉の
車に乗った。
自分でも危機感を感じず乗るなんて肝が座ってるって思った。
「貴女が八重樫圭さんですね?ワザワザお呼びだてしてすみません」
書類に目を通しながら謝られても…。
日本のTOPの人間は凡人には関わりたくないって感じ。
「単刀直入に言いますが、常葉と距離を置いて下さい。何故なんて聞かないで下さい。頭の悪い事は嫌いでね」
「常葉の気持ちは無視ですか?」
「気持ち?アイツはこの会社を継ぐ以外何になる?君の事を少し調べてさせて貰った」
「勝手ですね」
「ドナーを用意し海外での手術、治るまでの生活面での援助を約束しましょう。両親に替わり育ててくれてる祖父母に迷惑かけたくないでしょ?」
痛いところを突かれた。