100%の愛で〔SS〕


明日は土曜日、病院の日。



最近、調子が思わしくないかも。



「貴女が八重樫圭さんですよね?」



漆黒塗の車から黒ずくめの男に名前を聞かれた。



「はい…」



「旦那様がお呼びですので乗っていただけないですか?」



「旦那様って…」



「円城寺常一浪様です」



常葉の



車に乗った。
自分でも危機感を感じず乗るなんて肝が座ってるって思った。



「貴女が八重樫圭さんですね?ワザワザお呼びだてしてすみません」



書類に目を通しながら謝られても…。

日本のTOPの人間は凡人には関わりたくないって感じ。



「単刀直入に言いますが、常葉と距離を置いて下さい。何故なんて聞かないで下さい。頭の悪い事は嫌いでね」



「常葉の気持ちは無視ですか?」



「気持ち?アイツはこの会社を継ぐ以外何になる?君の事を少し調べてさせて貰った」



「勝手ですね」



「ドナーを用意し海外での手術、治るまでの生活面での援助を約束しましょう。両親に替わり育ててくれてる祖父母に迷惑かけたくないでしょ?」



痛いところを突かれた。








< 16 / 31 >

この作品をシェア

pagetop