Secret Lover's Night 【連載版】
「何があった」
「何も無いんや」
「せやったら何で病院連れて行くんや!」
気持ちばかりが焦る晴人が大声を上げた時、外でバタンと扉が閉まる音が聞こえた。慌てて玄関の扉を開くと、そこには智人に抱きかかえられ車を降りて来るパジャマ姿の千彩がいた。
「ちぃっ!」
名を呼んで駆け寄るも、ぐったりとしている千彩からは何の返答も無かった。
「おいっ!千彩どないしてん!」
「大きな声出すなや。やっと落ち着いたんやから」
「何やねん。何があってん」
「取り敢えず家入ろうや。意外と重いねん、コイツ」
腕の限界を訴えるも、晴人がそれを聞き入れてくれそうな気配は無い。ギターより重いもん久しぶりに持った…と、そんなことを思いながら、智人は千彩の体を晴人に差し出した。
「責任持って自分で抱えてや」
「貸せ」
「言われんでも」
さっさと千彩を引き渡し、智人は玄関でしゅんとなっている悠真の頭を撫でた。
「悪かったな」
「お前のせいでにーちゃんに怒られた!」
「悪かった、悪かった。後でメシ奢ったるから」
さっさと靴を脱いで家に上がる智人を追い、晴人も千彩を抱えて上がる。何とか晴人のご機嫌を取ろうと必死な悠真は、慌ててプリンを冷蔵庫に入れ、千彩の靴を脱がしにかかる。
「怒鳴って悪かったな、悠真」
「うん。大丈夫や」
千彩の靴を玄関に揃え先回りしてリビングへの扉を開く悠真に、晴人は「今日のメシは俺が作ったる」と言って和室へと足を進めた。
「何も無いんや」
「せやったら何で病院連れて行くんや!」
気持ちばかりが焦る晴人が大声を上げた時、外でバタンと扉が閉まる音が聞こえた。慌てて玄関の扉を開くと、そこには智人に抱きかかえられ車を降りて来るパジャマ姿の千彩がいた。
「ちぃっ!」
名を呼んで駆け寄るも、ぐったりとしている千彩からは何の返答も無かった。
「おいっ!千彩どないしてん!」
「大きな声出すなや。やっと落ち着いたんやから」
「何やねん。何があってん」
「取り敢えず家入ろうや。意外と重いねん、コイツ」
腕の限界を訴えるも、晴人がそれを聞き入れてくれそうな気配は無い。ギターより重いもん久しぶりに持った…と、そんなことを思いながら、智人は千彩の体を晴人に差し出した。
「責任持って自分で抱えてや」
「貸せ」
「言われんでも」
さっさと千彩を引き渡し、智人は玄関でしゅんとなっている悠真の頭を撫でた。
「悪かったな」
「お前のせいでにーちゃんに怒られた!」
「悪かった、悪かった。後でメシ奢ったるから」
さっさと靴を脱いで家に上がる智人を追い、晴人も千彩を抱えて上がる。何とか晴人のご機嫌を取ろうと必死な悠真は、慌ててプリンを冷蔵庫に入れ、千彩の靴を脱がしにかかる。
「怒鳴って悪かったな、悠真」
「うん。大丈夫や」
千彩の靴を玄関に揃え先回りしてリビングへの扉を開く悠真に、晴人は「今日のメシは俺が作ったる」と言って和室へと足を進めた。