Secret Lover's Night 【連載版】
「暫く、千彩と会うんやめてほしいねん。アイツの面倒、責任持って俺が見るから」
予想だにしなかった言葉に、晴人は目を見開いたまま短く息を呑む。それに釣られるように、悠真も息を呑んだ。
「お兄が千彩のこと可愛がってるんも、大事にしてるんも知ってる。でも、今の千彩にはお兄はどうも負担みたいなんや」
「ふ…たん?」
散々千彩のために時間を割き、少しでも寂しい思いをさせないように努力してきた。恐がらせることはしないように、細心の注意を払ってきた。
守りたい。
大切にしたい。
そう想いを伝えてきたはずなのに。
「俺はな、お兄に全部話せって言うたんや。でもアイツは、心配するからってよぉ言わん。仕事の邪魔になるからって」
「俺は…要らん…か」
漸く押し出した晴人の言葉に、慌てたのは悠真で。必死に何か言葉を掛けようとするのだけれど、唇を噛んだ晴人の姿に掛ける言葉を見つけ出せないでいた。
「千彩、このままやったら塞ぎ込んでしまうわ。せやから…」
「わかった。俺、あっち戻るわ」
「にーちゃんっ!」
「悪いな、悠真。メシはまた今度な」
「ちょっ…にーちゃん!智人っ!」
去って行こうとする晴人を追いかけようと、悠真が立ち上がる。それを「行かせたれ」と止め、智人は俯いて大きく息を吐き出した。
予想だにしなかった言葉に、晴人は目を見開いたまま短く息を呑む。それに釣られるように、悠真も息を呑んだ。
「お兄が千彩のこと可愛がってるんも、大事にしてるんも知ってる。でも、今の千彩にはお兄はどうも負担みたいなんや」
「ふ…たん?」
散々千彩のために時間を割き、少しでも寂しい思いをさせないように努力してきた。恐がらせることはしないように、細心の注意を払ってきた。
守りたい。
大切にしたい。
そう想いを伝えてきたはずなのに。
「俺はな、お兄に全部話せって言うたんや。でもアイツは、心配するからってよぉ言わん。仕事の邪魔になるからって」
「俺は…要らん…か」
漸く押し出した晴人の言葉に、慌てたのは悠真で。必死に何か言葉を掛けようとするのだけれど、唇を噛んだ晴人の姿に掛ける言葉を見つけ出せないでいた。
「千彩、このままやったら塞ぎ込んでしまうわ。せやから…」
「わかった。俺、あっち戻るわ」
「にーちゃんっ!」
「悪いな、悠真。メシはまた今度な」
「ちょっ…にーちゃん!智人っ!」
去って行こうとする晴人を追いかけようと、悠真が立ち上がる。それを「行かせたれ」と止め、智人は俯いて大きく息を吐き出した。