Secret Lover's Night 【連載版】
勢いよくカーテンを左右に開くと、その小気味良い音と一気に差し込む光に千彩がモゾモゾと身動ぐ。
その様子をテーブルに頬杖をつきながら眺めていると、とうとう完全に背を向けてしまった千彩の腕が、何かを探して宙を彷徨い始めた。
自分を探しているのだろうことは安易に予想がつく。それが堪らなく嬉しくて。
頬を緩ませながら腰を浮かせ、晴は丸いテーブルをひと跨ぎにした。
「千彩、ここやで」
「んー」
声とは逆の方向へと手を伸ばす千彩は、覚醒どころか未だ夢の淵にいるのだろう。言葉にならない声を押し出しながら、ゴロリと仰向けになって両手の甲でゴシゴシと目を擦り始めた。
それをゆっくりと止め、晴は出来る限り優しい声音で言葉を紡ぐ。
「おはよう。朝やで、千彩」
「にゃー」
「ははっ。にゃーって」
両手を天井に向かって伸ばしながらそう叫ぶ千彩の腕を取り、引っ張り起こして未だ眠そうな顔を覗き込む。
すると、堅く閉じられたままだった千彩の目がパチリと開いた。
「はるぅ」
「はいはい。おはようさん」
甘えた声で名を呼ばれ、嬉しくない男がいるわけがない。そう自分に言い聞かせ、緩む頬の言い訳にする。
「顔洗っておいで。朝ご飯買いに行こう」
「はぁーい」
幼子のように手を挙げて返事をする千彩をヨシヨシと撫で、洗面所へと促す。
その間に晴は自分の着替えを済ませ、千彩のために少し小さめのTシャツを引っ張り出した。
その様子をテーブルに頬杖をつきながら眺めていると、とうとう完全に背を向けてしまった千彩の腕が、何かを探して宙を彷徨い始めた。
自分を探しているのだろうことは安易に予想がつく。それが堪らなく嬉しくて。
頬を緩ませながら腰を浮かせ、晴は丸いテーブルをひと跨ぎにした。
「千彩、ここやで」
「んー」
声とは逆の方向へと手を伸ばす千彩は、覚醒どころか未だ夢の淵にいるのだろう。言葉にならない声を押し出しながら、ゴロリと仰向けになって両手の甲でゴシゴシと目を擦り始めた。
それをゆっくりと止め、晴は出来る限り優しい声音で言葉を紡ぐ。
「おはよう。朝やで、千彩」
「にゃー」
「ははっ。にゃーって」
両手を天井に向かって伸ばしながらそう叫ぶ千彩の腕を取り、引っ張り起こして未だ眠そうな顔を覗き込む。
すると、堅く閉じられたままだった千彩の目がパチリと開いた。
「はるぅ」
「はいはい。おはようさん」
甘えた声で名を呼ばれ、嬉しくない男がいるわけがない。そう自分に言い聞かせ、緩む頬の言い訳にする。
「顔洗っておいで。朝ご飯買いに行こう」
「はぁーい」
幼子のように手を挙げて返事をする千彩をヨシヨシと撫で、洗面所へと促す。
その間に晴は自分の着替えを済ませ、千彩のために少し小さめのTシャツを引っ張り出した。