Secret Lover's Night 【連載版】
「ちさ、マリちゃんみたいになりたい」
「マリちゃん?誰やそれは」
「はるのモデルさん」
「ハルさんのモデル?」
どうゆう意味だ…?と困り顔の吉村を見かねて、智人はサイドボードの引き出しにしまってある晴人の写真集を引っ張り出した。
「この人ですよ。お兄のお気に入りのモデルっす」
「へぇー…こりゃまたえらいべっぴんさんですなぁ。ちー坊、いくらなんでもこの人には敵わへんわ」
「ちさ、マリちゃんみたいになれない?」
写真集を前にしゅんとする千彩に、智人は思わず「見比べてみんか」と言いそうになった。
けれど、まさか父親である吉村の前でそれを言うわけにもいかない。何せ吉村は、千彩を溺愛しているのだから。
慌ててそれを呑み込み、薄い布を一枚体に巻き付けただけで写るマリをトントンと指先で叩いて千彩に呼び掛けた。
「お前、こんなんなりたいん?」
「だって、マリちゃんキレイやもん」
「ちー坊かてハルさんにええ写真撮ってもろたがな。ほらっ!」
そう言って吉村が鞄から取り出したのは、吉村が千彩を探し出す手掛かりになったポスターの元になった写真だった。
「見たってください、親父さん。ええ写真撮ってもろとるでしょ」
「おぉ…こりゃええ写真や」
「俺にも見せてや」
父の手にある写真を覗き込み、智人は「へぇ…」と何とも言えない表情をしてチラリと千彩を見遣った。
同じと言えば同じだし、違うと言えば違う。
千彩のメイクをした顔など一度だけしか見たことがない智人は、「この千彩がここまで化けるとは、プロの腕はさすがだ」と心の中で素直にメーシーの技量を称賛していた。
「どないでっか?トモさん」
「んー…メイクの腕が凄いのか、お兄の腕が凄いのか…」
悩みながら何度か写真と千彩の間で視線を往復させ、ふとあることに気付いてピタリと千彩で視線を止めた。
「マリちゃん?誰やそれは」
「はるのモデルさん」
「ハルさんのモデル?」
どうゆう意味だ…?と困り顔の吉村を見かねて、智人はサイドボードの引き出しにしまってある晴人の写真集を引っ張り出した。
「この人ですよ。お兄のお気に入りのモデルっす」
「へぇー…こりゃまたえらいべっぴんさんですなぁ。ちー坊、いくらなんでもこの人には敵わへんわ」
「ちさ、マリちゃんみたいになれない?」
写真集を前にしゅんとする千彩に、智人は思わず「見比べてみんか」と言いそうになった。
けれど、まさか父親である吉村の前でそれを言うわけにもいかない。何せ吉村は、千彩を溺愛しているのだから。
慌ててそれを呑み込み、薄い布を一枚体に巻き付けただけで写るマリをトントンと指先で叩いて千彩に呼び掛けた。
「お前、こんなんなりたいん?」
「だって、マリちゃんキレイやもん」
「ちー坊かてハルさんにええ写真撮ってもろたがな。ほらっ!」
そう言って吉村が鞄から取り出したのは、吉村が千彩を探し出す手掛かりになったポスターの元になった写真だった。
「見たってください、親父さん。ええ写真撮ってもろとるでしょ」
「おぉ…こりゃええ写真や」
「俺にも見せてや」
父の手にある写真を覗き込み、智人は「へぇ…」と何とも言えない表情をしてチラリと千彩を見遣った。
同じと言えば同じだし、違うと言えば違う。
千彩のメイクをした顔など一度だけしか見たことがない智人は、「この千彩がここまで化けるとは、プロの腕はさすがだ」と心の中で素直にメーシーの技量を称賛していた。
「どないでっか?トモさん」
「んー…メイクの腕が凄いのか、お兄の腕が凄いのか…」
悩みながら何度か写真と千彩の間で視線を往復させ、ふとあることに気付いてピタリと千彩で視線を止めた。