Secret Lover's Night 【連載版】
Tu es mon ange
翌朝
けたたましく鳴り響く電子音に、うーんと唸りながら千彩は僅かに瞼を持ち上げた。
しっかりと自分を抱いて眠る晴人を揺すり、早く音を止めてくれ!と思いを込める。
「はる…はるってば…」
いくら揺すっても呼び掛けても、疲れ切っているのか、晴人は表情一つ変えずに眠り込んでいる。そのくせ、自分を抱く腕の力だけは強くて。
抜け出そうと四苦八苦しているうちに、心地好い眠気が徐々に覚めていってしまう。
少し顔を上げ、せっかくなので寝息を立てる晴人の顔を盗み見た。
「キレーな…顔」
整えられた眉に、目頭から目尻まで綺麗にラインの入った二重瞼。高い鼻に薄い上唇。
眠っていたら、女性と言われても疑わないかもしれない。と、端正な顔立ち前に千彩はふぅっと感嘆の息を漏らす。
徐にふにっと頬を抓んで引っ張ってみた。ふにふにと遊ぶ千彩を窘めるように、腰を抱く腕の力が強くなる。
そして、耳元で囁かれる甘い音。
「んー…ちぃ」
名を呼ばれるだけで、こんなにも気分が高揚するのは初めてで。思わず息を詰まらせ、苦しさから逃れるように千彩は晴人の胸元にギュッとしがみ付いた。
けたたましく鳴り響く電子音に、うーんと唸りながら千彩は僅かに瞼を持ち上げた。
しっかりと自分を抱いて眠る晴人を揺すり、早く音を止めてくれ!と思いを込める。
「はる…はるってば…」
いくら揺すっても呼び掛けても、疲れ切っているのか、晴人は表情一つ変えずに眠り込んでいる。そのくせ、自分を抱く腕の力だけは強くて。
抜け出そうと四苦八苦しているうちに、心地好い眠気が徐々に覚めていってしまう。
少し顔を上げ、せっかくなので寝息を立てる晴人の顔を盗み見た。
「キレーな…顔」
整えられた眉に、目頭から目尻まで綺麗にラインの入った二重瞼。高い鼻に薄い上唇。
眠っていたら、女性と言われても疑わないかもしれない。と、端正な顔立ち前に千彩はふぅっと感嘆の息を漏らす。
徐にふにっと頬を抓んで引っ張ってみた。ふにふにと遊ぶ千彩を窘めるように、腰を抱く腕の力が強くなる。
そして、耳元で囁かれる甘い音。
「んー…ちぃ」
名を呼ばれるだけで、こんなにも気分が高揚するのは初めてで。思わず息を詰まらせ、苦しさから逃れるように千彩は晴人の胸元にギュッとしがみ付いた。