Secret Lover's Night 【連載版】
千彩は、晴人の手が好きだ。
頭を撫でてくれる手、髪を梳いてくれる手、背中をポンポンとしてくれる手。今はリングがはまっていて少し痛いけれど、それでも気持ち良くてうっとりとしてしまう。
「はるの手…好き」
ボソリ、と呟くように言葉にすると、親指の腹で頬がゆるりと撫でられた。
「俺、写真いじってくるから着替えておいで」
「着替えるん?」
「ん?それがええんやったらそのままでもええで?」
「ちさ、これがいい」
その言葉に、晴人が目を丸くした。
いけなかっただろうか…と心配になるも、それはすぐに緩やかなカーブを描いて。それに安心し、千彩はにっこりと笑ってみせる。
「ケイ、姫様はこれが気に入ったんやとよ。何か羽織るもん持って来てやって」
「おぉ!やっとオシャレしてくれる気になったかー、マイエンジェル!」
「マイエンジェル!はもうええから。ほら、けーちゃんに上着もろておいで」
そっと背を押され、千彩はふと気付く。
「これ、けーちゃんの?」
「ん?俺が買う言うても、どうせあいつが「俺が!」って言いよるで」
「そっか。けーちゃん…ごめんね?」
スカートを摘まんでしゅんと項垂れた千彩に、上着を選んでいた恵介がそれを片手に歩み寄った。
「どしたー?ちーちゃん」
「あのね、これけーちゃんのやって…はるが」
「おぉ。ええんやで、そんなこと気にせんでも」
「でも…」
あんなにいっぱいお洋服買ってもらったのに…と、千彩は申し訳なさで涙目になりがら訴える。
そんな千彩にレースのカーディガンを羽織らせ、恵介はゆっくりと腰を屈めて微笑んだ。
「ちーちゃん、俺の選んだ服好き?」
「うん、好き」
「ほんならな、俺の選んだ服着てくれる?そしたら俺、お金貰うより何倍も嬉しいわ」
「着るだけ?」
「おぉ。俺も嬉しいし、可愛く着てもらえる服も嬉しいし、可愛くなったちーちゃんを見て晴人も嬉しい!いいこといっぱいやろ?」
「はるも?」
「もちろんや」
はるが嬉しいならちさも嬉しい!
千彩の想いは、至極単純なものだった。
頭を撫でてくれる手、髪を梳いてくれる手、背中をポンポンとしてくれる手。今はリングがはまっていて少し痛いけれど、それでも気持ち良くてうっとりとしてしまう。
「はるの手…好き」
ボソリ、と呟くように言葉にすると、親指の腹で頬がゆるりと撫でられた。
「俺、写真いじってくるから着替えておいで」
「着替えるん?」
「ん?それがええんやったらそのままでもええで?」
「ちさ、これがいい」
その言葉に、晴人が目を丸くした。
いけなかっただろうか…と心配になるも、それはすぐに緩やかなカーブを描いて。それに安心し、千彩はにっこりと笑ってみせる。
「ケイ、姫様はこれが気に入ったんやとよ。何か羽織るもん持って来てやって」
「おぉ!やっとオシャレしてくれる気になったかー、マイエンジェル!」
「マイエンジェル!はもうええから。ほら、けーちゃんに上着もろておいで」
そっと背を押され、千彩はふと気付く。
「これ、けーちゃんの?」
「ん?俺が買う言うても、どうせあいつが「俺が!」って言いよるで」
「そっか。けーちゃん…ごめんね?」
スカートを摘まんでしゅんと項垂れた千彩に、上着を選んでいた恵介がそれを片手に歩み寄った。
「どしたー?ちーちゃん」
「あのね、これけーちゃんのやって…はるが」
「おぉ。ええんやで、そんなこと気にせんでも」
「でも…」
あんなにいっぱいお洋服買ってもらったのに…と、千彩は申し訳なさで涙目になりがら訴える。
そんな千彩にレースのカーディガンを羽織らせ、恵介はゆっくりと腰を屈めて微笑んだ。
「ちーちゃん、俺の選んだ服好き?」
「うん、好き」
「ほんならな、俺の選んだ服着てくれる?そしたら俺、お金貰うより何倍も嬉しいわ」
「着るだけ?」
「おぉ。俺も嬉しいし、可愛く着てもらえる服も嬉しいし、可愛くなったちーちゃんを見て晴人も嬉しい!いいこといっぱいやろ?」
「はるも?」
「もちろんや」
はるが嬉しいならちさも嬉しい!
千彩の想いは、至極単純なものだった。