Secret Lover's Night 【連載版】
「重いわー、ちぃ」
「んー・・・はるぅ」
「はいはい。何ですかー?」
耳元からは、止むこと無く罵声が浴びせられていて。何でそんなガキが良いんだ!とか、何で家に入れてるんだ!とか、私には家の場所さえ教えてくれなかったのに!とか。煩わしいのだ。と、ため息を吐く代わりに、首元に擦り寄る千彩の長い髪を梳く。
『ねぇ!晴っ!』
「はいはい?何ですか、リエさん」
『聞いてたのっ!?』
「いーや。全く」
『何なのよっ!』
「だから昨日も言うたやん?気持ち離れたって」
『その女の…せいなの?』
「さぁなぁ…」
途端に弱々しくなったリエの声に、晴人も言葉の棘を和らげる。けれど、どこかにあったはずだった「気持ち」は、もう完全に冷め切っていた。
「リエは、俺やなくてもええやろ?」
『そんなことっ!』
「この子には俺しかおらんねん」
『私だって!』
「言い切れるか?家族も友達も仕事も、俺がおったら何も要らんって」
『それは…だってそれはっ!』
「お前には無理や。でも、この子は違う。この子は、俺がおったら何も要らん」
『おかしいんじゃない!?ただのロリコンじゃん!』
またその台詞か…と、サラサラと流れる艶やかな黒を撫ぜながら、耐え兼ねたため息が漏れた。
「それなぁ、もう聞き飽きた」
『だってそうでしょ!?ただのガキだったって沙織は言ってたもの!』
「はいはい。ガキなことに変わりないから否定はしませんよ」
『その子…晴の何なの?』
「俺の?せやなぁ…」
ふと考え、言葉を呑み込む。
そうしているうちに、薄く瞼を持ち上げた千彩が問い掛けた。
「はるぅ…誰と話してるん?けーちゃん?」
「けーちゃんちゃうで。彼女」
「カノジョ?」
「そー。彼女、やった女の人」
「ふぅん」
納得したのか、していないのか。スリスリと擦り寄って来る千彩を、晴人はギュッと抱き締める。
「んー・・・はるぅ」
「はいはい。何ですかー?」
耳元からは、止むこと無く罵声が浴びせられていて。何でそんなガキが良いんだ!とか、何で家に入れてるんだ!とか、私には家の場所さえ教えてくれなかったのに!とか。煩わしいのだ。と、ため息を吐く代わりに、首元に擦り寄る千彩の長い髪を梳く。
『ねぇ!晴っ!』
「はいはい?何ですか、リエさん」
『聞いてたのっ!?』
「いーや。全く」
『何なのよっ!』
「だから昨日も言うたやん?気持ち離れたって」
『その女の…せいなの?』
「さぁなぁ…」
途端に弱々しくなったリエの声に、晴人も言葉の棘を和らげる。けれど、どこかにあったはずだった「気持ち」は、もう完全に冷め切っていた。
「リエは、俺やなくてもええやろ?」
『そんなことっ!』
「この子には俺しかおらんねん」
『私だって!』
「言い切れるか?家族も友達も仕事も、俺がおったら何も要らんって」
『それは…だってそれはっ!』
「お前には無理や。でも、この子は違う。この子は、俺がおったら何も要らん」
『おかしいんじゃない!?ただのロリコンじゃん!』
またその台詞か…と、サラサラと流れる艶やかな黒を撫ぜながら、耐え兼ねたため息が漏れた。
「それなぁ、もう聞き飽きた」
『だってそうでしょ!?ただのガキだったって沙織は言ってたもの!』
「はいはい。ガキなことに変わりないから否定はしませんよ」
『その子…晴の何なの?』
「俺の?せやなぁ…」
ふと考え、言葉を呑み込む。
そうしているうちに、薄く瞼を持ち上げた千彩が問い掛けた。
「はるぅ…誰と話してるん?けーちゃん?」
「けーちゃんちゃうで。彼女」
「カノジョ?」
「そー。彼女、やった女の人」
「ふぅん」
納得したのか、していないのか。スリスリと擦り寄って来る千彩を、晴人はギュッと抱き締める。