Secret Lover's Night 【連載版】
「メーシーに切ってもらうか…」
「俺が何だってー?」
不意に声を掛けられ、振り返る。ひらひらと手を振るメーシーが、相変わらずの女受けの良い笑顔で「おはよー」と笑っていた。
「おぉ。おはよ。今日時間空く?切ってや、これ」
長くなった前髪を摘んだまま、晴人は伺いを立てる。それに更に笑顔の色を濃くし、メーシーは頷いた。
「今日はねー…うん。王子の仰せの通りにーなんつって」
「あはは。ほなお願いします、カリスマメーシー様」
「そうそう、そうでなくっちゃ」
笑い合いながら階段を上り切り、事務所の扉を開いた。そこにはまだ誰も居なくて。恵介の遅刻の有無を賭けながら、それぞれ与えられたデスクに就く。
撮影までにはまだ数時間ある。昨日の写真を処理してしまおう…と、晴人はPCの電源を入れた。そこに、缶コーヒーを二本持ったメーシーがやって来る。
「はい、どーぞ」
「サンキュ」
「この時間に来てるんだって?撮影も午前中に入れてること多いし…一体全体どうしちゃったんだか、うちの王子様は」
「ん?あー…」
「早く終わらせて、早く帰んなきゃ…って?」
「まぁ…な」
「おかげでこっちはスケジュールがカツカツだよ。まいったねー」
「あぁ…ごめん」
申し訳なさげに眉尻を下げ、缶を傾ける。それを見て、「あははっ。情けない顔だ」と晴人のデスクに凭れかかったメーシーが笑った。
「俺が何だってー?」
不意に声を掛けられ、振り返る。ひらひらと手を振るメーシーが、相変わらずの女受けの良い笑顔で「おはよー」と笑っていた。
「おぉ。おはよ。今日時間空く?切ってや、これ」
長くなった前髪を摘んだまま、晴人は伺いを立てる。それに更に笑顔の色を濃くし、メーシーは頷いた。
「今日はねー…うん。王子の仰せの通りにーなんつって」
「あはは。ほなお願いします、カリスマメーシー様」
「そうそう、そうでなくっちゃ」
笑い合いながら階段を上り切り、事務所の扉を開いた。そこにはまだ誰も居なくて。恵介の遅刻の有無を賭けながら、それぞれ与えられたデスクに就く。
撮影までにはまだ数時間ある。昨日の写真を処理してしまおう…と、晴人はPCの電源を入れた。そこに、缶コーヒーを二本持ったメーシーがやって来る。
「はい、どーぞ」
「サンキュ」
「この時間に来てるんだって?撮影も午前中に入れてること多いし…一体全体どうしちゃったんだか、うちの王子様は」
「ん?あー…」
「早く終わらせて、早く帰んなきゃ…って?」
「まぁ…な」
「おかげでこっちはスケジュールがカツカツだよ。まいったねー」
「あぁ…ごめん」
申し訳なさげに眉尻を下げ、缶を傾ける。それを見て、「あははっ。情けない顔だ」と晴人のデスクに凭れかかったメーシーが笑った。