君に夢中で恋してる*
傘の中に二人で
私のペースに合わせて、とても分かりやすく数学を教えてくれた日向君。
そんな彼に、感謝の気持ちと嬉しい気持ちでいっぱい…。
十分すぎるほど素敵な時間だったなぁ…なんて思っていたら…。
日向君に家まで送ってもらうことになっちゃったよぉ…!
しかも、手まで握られちゃってるし…。
鼓動が慌ただしく動いていて、落ち着かない。
ソワソワしながら、日向君の横顔を見上げた。
きっと、優しい日向君のことだ…。
私が雷を怖がってたから、見兼ねて…わざわざ送ってくれるんだろうな…。
「…………。」
どうしても、申し訳なさが募る。
やっぱり、“一人で帰れるから大丈夫”って、もう一度言おう…。
校舎を出て、校門へと繋がる道を歩く中…。
「あのっ、日向君…!」
私が言葉を切り出すと、日向君がこちらに視線を向けた。