君に夢中で恋してる*
ドキッ…。
見事に本心を見抜かれてしまい、心臓が跳ね上がる。
素直に頷く私に、日向君は柔らかく微笑んだ。
「俺、椎名と一緒に帰りたいから、家まで送って行きたいんだ…。だから、そんな風に申し訳なさそうな顔するなって…。」
な?と優しく声を掛けられ、何も言葉を出せなくなった私。
ただただ、何度も頷いた。
そ、そっか…。
私ってば、気持ちが表情に出ちゃってたんだ…。
っていうか、日向君…。
今、“一緒に帰りたい”って言わなかった…!?
聞き間違い…じゃないよね…?
雷とか、雨が降るかもしれないからとか…。
それが理由じゃないの…?
疑問符が頭に浮かべていると、日向君は私から顔を離す。
「さあ、行こう?」
ゆっくり手を引かれて歩きだした瞬間、おでこにポツリと水滴が落ちてきた。