君に夢中で恋してる*

「ひゃっ…!」


驚いた反動で体がビクッと震える。


思わず、小さな声が漏れてしまった。


「そんなに思いっきり頷かなくてもいいよ…。“大丈夫”っていうのは、分かったから…。」


日向君は、フッと笑う。


優しさいっぱいの笑顔に、心拍数は上昇するばかりだ。


手だけじゃなくて、頭も触れられちゃった…。


体中が熱に冒されそう…。


ガチガチに固まっていると、日向君は私の頭を撫でた。


「椎名ってさ、どんな表情してても…可愛いんだな。」


「………っ…!?」


日向君の言葉に、体からプシューッと湯気が吹き出しそうだ。


「そそっ、そんなことないよ!」


咄嗟に否定した言葉。


電車内に響きわたるほどのボリュームになってしまった。



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