君に夢中で恋してる*
乗客が何事かと言わんばかりの表情で、こちらを見ている。
注がれるたくさんの視線。
恥ずかしくて、いたたまれない気持ちだ。
きっと、ゆでダコのように真っ赤な顔…してるんだろうな…私。
早く電車、降りたいよぉ…。
周りの目が気になり、目線が自然と下の方に落ちていく。
熱くなった頬を手で押さえながら、暫くの間…電車に揺られていると…
「あっ、椎名…!」
ポンポンと私の肩を叩く日向君。
なんだか、少し焦っているみたいだ。
「ど、どうしたの…?」
頬を押さえたまま、顔を上げる。
すると、日向君は外の景色を指差した。
「降りる駅、次だろ?もうすぐ着くぞ?」