君に夢中で恋してる*
「俺、何か変なこと言った?」
「あっ、あの…。私、可愛いどころか、不審な人だったと思うんだけど……」
呟くように口にすると、日向君は笑みを零した。
「椎名は…そう思っても、俺にとっては“可愛い”って思えるんだよ。」
えぇっ…!!
ハッキリと言う日向君に、顔が熱くなる。
まるで高熱が出てるような感覚だ。
頬を擦っていると、日向君は口を開いた。
「俺、実は…今月の初めに家を引っ越した関係で、電車通学に変わったんだ。」
「えっ…」
そうだったんだ…。
それで、入学してから今まで、一度も駅や電車内で見掛けなかったんだ…。
「それまでは徒歩で通学していてさ、一緒に通う友達も居たから、電車に変更したくないなぁ…なんて思ってたんだけど、今は電車通学になって良かった…って思うよ。」
「ど、どうして…?」
咄嗟に出てしまった言葉。
首を傾げる私に、日向君は少し照れくさそうな表情を浮かべた。