君に夢中で恋してる*

そのあと、温かい気持ちに浸りながら、更に電車に乗ること約15分。


いつも利用している駅に着いた私たち。


改札口を出ると、雨に濡れた景色が映った。


「……雨、まだ止みそうにないな。」


「うん、そうだね…。」


雷もゴロゴロ鳴ってるし、嫌だなぁ…。


早く止みますように…。


心の中で切に願っていると、日向君が傘を開いて手招きをした。


「椎名、行こう?」


「あっ、うん…。」


緊張しながら遠慮がちに傘に入る。


そして、私の家へと歩きだした。


「椎名の家、ここから距離ある?」


「えっと、歩いて10分ぐらいかな…。」


「そっか…。じゃあ、それまで、雷…あまり鳴らないといいな。」


心配そうな表情で私を見る日向君に、コクンと頷いた。


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