君に夢中で恋してる*

「椎名、大丈夫か!?」


すぐ傍で日向君の声が聞こえてくる。


きっと、私が急にしゃがみ込んだりしたから、心配してくれてるんだ…。


雷は怖かったけど、日向君に心配かけたくない…。


“大丈夫”って言わなくちゃ…。


心の中ではそう思うのに、雷に驚いた衝撃で、声が上手く出て来ない。


歯がゆい想いで、震える唇を噛み締めた。


「……ごめん。大丈夫なわけないよな…。雷…すげぇ近くで鳴ったし、怖かったよな…。」


その言葉と共に、頭にポンと日向君の手がのせられる。


大きくて温かい手。


そのまま優しく頭を撫でられるうちに、だんだん震えが治まっていくのを感じた。


不思議…。


ちょっと前まで、雷への恐怖心でいっぱいだったのに…。


なんだか、落ち着いてきた…。


今なら“大丈夫”って、ちゃんと言葉に出来そう…。


目をゆっくり開けて、俯いていた顔を上げる。


すると、目の前に心配した表情で私を見ている日向君の姿が映った。



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