君に夢中で恋してる*
「そんなことしたら、雨に濡れる…。風邪、ひくかもしれないだろ?」
日向君の温かい声が降ってくる。
触れてしまいそうなほど近い私たちの距離。
ドクンドクンと鳴り響く鼓動は、日向君に聞こえるんじゃないか…と思うほどだ。
「俺が家の前まで、ちゃんと送るから…。な?」
見上げれば、微笑む日向君の顔が映る。
どこまでも気遣ってくれる日向君の優しさが嬉しくて、私はゆっくり頷いた。
「よ、よろしくお願いします…。」
ぎこちなく言葉にすると、日向君はニコッと笑って掴んでいた私の腕を離す。
「んじゃ、あらためて…行こう?」
「う、うん…!」
そして、私たちは家に向かって再び足を進めた。