君に夢中で恋してる*
「あっ、私の家…ここなの。」
程なくして家の前に到着した私たち。
玄関先まで傘に入れてくれた日向君に、私は頭を下げた。
「今日は色々と迷惑かけちゃって、ごめんなさい…。」
「別に迷惑なんて思ってないから、気にしなくていいよ。」
「でも、日向君は…これから家に帰らなくちゃいけないし、だいぶ遠回りになったんじゃ……」
申し訳なく思いながら声に出すと、日向君は首を左右に振る。
「いや、そんなことないよ。遠回り…っていうよりも通り道…みたいなものだから。」
「えっ!?」
思わぬ答えに、瞬きを繰り返した。
「俺、さっき降りた駅の次の駅をいつも利用しているんだ…。だから、ここからなら…歩けば15分ぐらいで着くと思う。」
そ、そんなに近かったんだ…。
日向君の家と私の家。
もっと離れた場所に住んでるだろう…と勝手に想像していただけに、かなりビックリだ。