君に夢中で恋してる*
思わぬお誘い
「いよいよ明日から夏休みだねっ、星愛!」
「う、うん…。」
1学期の終業式を終えて、放課後を迎えた教室。
ウキウキとした表情を浮かべる美波に、私は力なく頷いた。
憂鬱だった期末テストも無事に終了。
日向君に勉強を教えてもらったおかげで、苦手な数学は平均点よりも良い点数をとることが出来た。
テストを乗り切ったことだし、本来なら…明日から始まる夏休みは、嬉しくてたまらないはずなのに…。
心は、どんよりと沈んでいる。
まるで、厚い灰色の曇が覆っているかのようだ。
夏休みになったら、しばらく日向君に会えなくなるんだよね…。
一ヶ月以上、顔も見れないし声も聞けないのかぁ…。
長いお休みよりも、普段どおりの授業日が続けばいいのにな…。
はぁ…と小さなため息を零した後、日向君の席に視線を移した。