君に夢中で恋してる*
あっ…!
私、倒れる…。
どうすることも出来なくて、目を開けられずにギュッとキツく瞑る。
転倒することを覚悟していた、その時…。
えっ…?
フワッと包まれるように、誰かに優しく抱き止められる。
爽やかな香りが鼻を掠めた。
誰かが助けてくれたんだ…。
ゆっくりと目を開けると、上から声が降ってきた。
「大丈夫?」
どうやら助けてくれたのは男の人みたいだ。
ちゃ、ちゃんと謝って、それから…お礼も言わなくちゃ…!
「すっ、すみませ……」
早速、謝りながら顔を上げた私だったけど、目に映った人物を見て言葉が止まってしまった。
う、うそっ…。
日向君っ!!?