君に夢中で恋してる*

私も、そろそろ帰ろう…。


チラチラと日向君を見つつ、教室の後ろの扉から出た時だった。





「あっ!もしかして、椎名 星愛ちゃん…?」


「えっ…?」


突然、名前を呼ばれて辺りをキョロキョロ見回す。


すると、B組の前の廊下で女の子数人に囲まれていた男の子が、こちらに近付いてきた。


「あ、いきなりごめんね…。名前呼んだの俺なんだ。星愛ちゃんで間違いない…よね?」


「は、はい…。そうですけど……」


この男の子、誰だろう…?


どこかで見たことあるような気もするけど…。


疑問符を浮かべていると、男の子はニコッと笑った。


「俺、B組の唐沢 碧って言うんだ…。星愛ちゃんのこと、一度…見てみたいと思ってたんだけど、今日…会えて良かったよ。」


唐沢君…。
そ、そっか…!


「あの、もしかして…サッカー部の…」


美波がファンだって言ってた男の子だ…。



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